少し前のブログで、ある本をご紹介させていただきました。
作家小川洋子さんと数学者藤原正彦先生との対談エッセイ「世にも美しい数学入門」です。
このなかで、藤原先生はある数学者を紹介しています。
それがインド出身のシュリニヴァーサ・ラマヌジャンという数学者です。
彼が生まれたときのインドは、まだイギリス支配の色濃い時代で、彼自身も高等数学の正式な教育は受けていませんでした。
しかし15歳でジョージ・カー著の「純粋数学要覧」数学公式集に出会ったことで数学に没頭し、数奇な巡りあわせを経て、ケンブリッジ大学に招聘されます。
彼はたった32年の短い生涯のなかで、3000以上の公式を見つけたとされている、まさに正真正銘の“数学の天才”でした。
そんな彼の逸話が「世にも美しい数学入門」でも紹介されています。
ラマヌジャンはケンブリッジ留学後、毎朝6個、師のもとに新しい定理をもってくるというのです。
ちなみに、日本を代表する数学者の藤原先生でさえ年に1~2個ということですから、ラマヌジャンの毎朝6個というのは異例中の異例でしょう。
あまりにも驚いた友人が、なぜそんなことが出来るのかたずねるとラマヌジャンは
「信じてもらえないかもしれないけど、ナーマギリ女神が教えてくれるんだ」と答えるのだそうです。
そして面白いことに、ラマヌジャン自身にも、自分が見つけた定理が正しいのかわからない。なぜなら神様が教えてくれたことだから。
なので師である教授と、その定理が正しいのか証明を後づけしていくという具合だったらしいのです。
彼が夢のなかで、神様とどんな話をしていたのかはわかりませんし、
ある人にとっては、それは神との対話ではなく、たんに“ひらめき”や“直感”といわれるものなのかもしれません。
私も“占星術”というものをしていると、
ときに“占い”と混同されたり、または“スピリチュアル”というジャンルに曖昧にくくられたり、まぁそうしたことがあります。
ただ、ラマヌジャンの話しを読んだとき、本当のスピリチュアルとはなんだろうと、そんな気持ちにさせられるのです。
ラマヌジャンはインドにいたころ、紙も買えない貧しい生活のなかで、石板に何度もなんども数式を書き直しながら、数学に没頭していたといいます。
そうやって力を蓄え、鍛え、磨く時間があったからこそ、ケンブリッジ大学に招かれ舞台が整ったぞ!というときに、天才的なまでのひらめきがおりてきたのではないかと。
彼の家はインドのカーストにおけるバラモン(いわゆる僧侶、学問・祭祀を司る)だったため、極めて敬虔に神様に向き合う心を持っていたのではないかと思います。
だから、自身のひらめきは“まるで神様と自身の精神が対話したよう”に思えたのではないかと感じるのです。
スピリチュアルはspiritual、つまり“spiritである”ということ。
Spiritの和訳の一つは“精神”です。
つまり“精神的である”ことがスピリチュアルであるということなのではないでしょうか。
世の中では、スピリチュアルという言葉はかなり多様な意味で使われています。
今ここで、私が“スピリチュアル”という言葉を定義付けるつもりはありません。
ただ、ラマヌジャンのような人の話しを見聞きするたびに、
真に神様と繋がるような経験をする人は、とても真摯に、謙虚に、ひたむきに、自分の心と向き合って精神を磨き続けた人だと思うのです。
「世にも美しい数学入門」は200ページに満たない長さですし、
“数学入門”とついてはいますが、ほとんど数学のむずかしい話は出てきません。
字も大きめで行間もゆったりとしている(読みやすい!)ので、ぜひ多くの方に、とくに学生時代に理数系に苦手意識を感じていた人にはぜひ読んでいただきたい一冊です。
私がいつも「占星術は学問」であり「学問である占星術は美しい」といっているその根拠を、小川洋子さんと藤原先生の対談が示してくれたような気持ちになる本です。
ラマヌジャンの半生は映画にもなっています。
「奇蹟がくれた数式」は、穏やかな気持ちで見られる私も好きな映画の一つ。
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