空の器、借りものの中身

日々の徒然

早いもので、
もう三が日が終わろうとしています。
明日から仕事はじめ、という方もいるでしょうか。

このブログをはじめたのは2023年の4月、
もう少し頑張ったらブログ開設から1年です。

でも、
なんとはなく思いつくことを自由に書かせていただいているので、
あまり“頑張っている”感なく続けていられるのが、ありがたいところです。

で、こんな私のとりとめもない文章を、
本当にありがたいことにお読みくださる方がおり、
そしてときに「読みやすいです」「わかりやすいです」「文章が好きです」なんてお言葉までいただいているのですから、
これはもう、土に穴を掘って地中深く頭を下げて土下座をしたくなるほどの気持ちです。

ただ、
今まで私が書いてきたもろもろの文章たち、
これはすべて私一人の力で書いたわけではない、と感じるのです。
もちろんゴーストライターなどおりませんので、これだけは断言しておきますね(笑)

わたしのブログでは、
著名な方の言葉や、いろいろな事象を引用させていただいていますが、
それらは間違いなく、私の書きたいことを補っていただくために“お借りしている言葉たち”です。

そしてそもそも、
私の話す言葉、書く文章、思考していることも、
きっと今まで触れてきたもの・出会った人たちから与えてもらった感性が作り出したもの。

私自身が何かすごいものを持って生まれたわけではなく、
もともと空っぽの入れ物だったなかに、今まで出会ったたくさんの事柄を入れてきた。
何を入れて、何を出して、どんなふうに整理しておくか…
それが、生きる・考える・話す・書く、ということのように感じられるのです。

なので、言葉や文章をほめていただいたとき、
ありがたい気持ちと同時に、心のかたすみでは、
「はっきりとは思い出せないけれど、私にこの言葉や思考を授けてくれた誰か・何か、それがすごいのです。私などは、本当は、まだまだなのです」
と、そんな恐縮した気持ちにもなるのです。

もうだいぶ昔、私がまだ学生だった頃の、友人との話しを思い出します。

彼女は、当時気になっていた男性に何事か悩み相談をしたらしいのです。
そして、
「彼に相談したらすごい良いこと言って言ってくれて、本当に目から鱗みたいな感覚だった!
あんなに良いことを言ってくれる彼はやっぱりすごい」
と、目を輝かせながら話してくれました。

じつはこのとき、
私はその“彼が言ってくれてこと”が、某著名人の格言であることに気が付いていました。
が、あえて友人にそのことは言いませんでした。
彼女にとって大切なのは“何を言われたか”よりも“誰に言ってもらったか”だと思ったのです。

だから、気になる男性に素敵なことを言ってもらえた、という事実が彼女にとって大切なら、
言葉の元ネタなどどうでもいい、と考えたのでした。

ただ、しばらくしてその友人から
「最初はいいと思ったけど、…薄っぺらいというか、なんか口だけなんだよね」
という言葉を聞くことに…。
このとき、ふと、
もし彼女があのとき言ってもらった“素敵な言葉”が誰かの格言であると気が付いていたらどうだったのだろう、と思ったのです。

私は、その男性が本当に“薄っぺらな口だけ男”なのかはわかりませんし、
そもそも私がそれをジャッジする立場にはありません。
ただ、
その男性は“素敵な格言を知っていて、それを心にストックしている人”だったことは間違いないと思うのです。

もし彼女が、
彼の言ってくれた言葉が“彼本人のもの”でないことをわかっていても、
彼が“自分のストックのなかから当時の彼女に一番ひびく言葉を選んでくれた”と思えていたら、
彼女の彼に対する見方は、少しは違うものになっていたのでしょうか…。
今となっては答えの出ないことですが、
こんなブログをちまちま綴るようになったいま、ふと思い出すことが増えた出来事です。

人間のボキャブラリーは、それまで出会ってきた言葉の蓄積。
真にオリジナルの言葉を生み出せるのは、たぶんほんの一握りの、鋭い語感をもつ人々なのでしょう。
なので、私のような凡人は、
今日もせっせと言葉を集め、
それらを自分という箱のなかに、
一生懸命整理をしながらしまって、
使うべきときに箱の中からそれらを探してだして、
この文を書き綴っております。

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