好きな本~香りの扉、草の椅子~

日々の徒然

 以前のブログで、蓼科ハーバルノートシンプルズのハーブティーを愛飲していることと、ハーバルノートシンプルズのオーナーである荻尾エリ子さんの書籍のご紹介を書かせていただきました。
今回は、荻尾さんの書籍「香りの扉、草の椅子」について、もう少し深く綴ってみようと思います。

7月21日「好きなもの集め~蓼科ハーバルノートシンプルズ~」

 「香りの扉、草の椅子」は、豊かでときに厳しい自然の移ろいと、ハーブを中心とした生活の知恵が、優しくあたたかな文体で綴られたエッセイです。
読書は、基本的に一人でするものです。
自分の世界に入り、本と向き合う。ときに”孤独”ととらえられる行為です。
でも、この本は人を孤独にさせないのです。
それは、荻尾さんのお人柄がそのままにじみでたような、相手を包み込むような文体がなせることなのかもしれません。

 私はここ数年、自分が”消耗している”ような感覚になることが度々あり、それが積み重なって、すり減っている状態を“当たり前”と感じるようになっていました。
しかし、この半年間の休職で、少しずつですが“休み方の練習”ができてきたように思います。
照明を落として、
ゆったりと椅子に腰かけ、
あたたかいお茶を飲む。
それ以外、何もしない。
もし気持ちが求めるなら、好きな本を出してきてぱらぱらっとめくってみる。
厳しい状況のなかで、じっと静かに待つように…。

 そう、“耐える”ではなく“待つ”ことをおぼえた気がします。
どんなに寒く厳しい冬も、やがては雪解けを迎え春がくるように、
自分の状況をことさらに悲観し、我慢するのではなく、静かに待って寄り添うような、そんな気持ちを与えてくれた本でした。

 ハーブが好きな方や、ナチュラル志向の生活がお好きな方には、もちろんおすすめです。
でも、ちょっと一息つきたい気分になる人、
人と会いたいわけじゃないけど、誰かのぬくもりが恋しいと感じる人、
心を静かに整えたい人、
そういう人たちにも手に取ってもらいたい本です。

 秋分の日をすぎて、秋、そしてこれから訪れる冬を意識させられる時期ですね。
実は、前はこの時期が好きではありませんでした。
明るい太陽が降りそそぐ時間がどんどん短くなる、
寒さが体にこたえるようになる、
草木が枯れてさびしさの増す景色、
そんな風に思っていました。
でも、この本に出会って、そして休む練習をして、今年の冬は少しいつもと違う気持ちで迎えられそうな気がしています。

今夜も静かに、ハーブティーとともにこの文章を綴っています。

長野県茅野市にあるハーバルノートシンプルズのお店
ハーブショップというより、まるで荻尾先生のアトリエ🍀

蓼科ハーバルノートシンプルズの公式HPはこちらから

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