「客ぶり」と「もてなし」

日々の徒然

 皆さんは「客ぶりが良い」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 私がこの言葉を知ったのは7~8年ほど前、たまたま手にした旅行雑誌に載っていた某老舗旅館の女将さんのコラムを読んだときでした。

 客ぶりとは、店の提供する「もてなし」に対して、それを受ける側である客の器量を評する言葉、というようなことが書いてあったと思います。
ちなみにインターネットの辞書では、下記のようにでてきました。

客振(読み)きゃくぶり:〘名〙 客としての態度、そぶり。1)

 日本では、「もてなし」に“お”をつけた「おもてなし」の精神が大変に尊ばれ、また、受け手である客側も、おおいに(ときに当然のように…)「おもてなし」を期待する向きがあるように感じます。
ただ、「客ぶり」という言葉は、提供する側と受ける側、双方が互いに心を配り心地よい場を作り上げましょう、という精神のもとに「もてなし」と同等に尊ばれる言葉だそうです。
茶道や華道を嗜まれている方は、ご存知かもしれませんね。

 さて、ちょうど今日、私はある方から「あなたには特別に先にお知らせをさせてもらいます」という”特別待遇”を受けました。
きっと、お相手の方は「いつもよくしてくれて有難うございます」の気持ちでご連絡くださったのでしょう。
と、いうと…「え⁉そんなにたくさんいつもお金払ってるの⁉どれだけ支払えば特別待遇受けられるの⁉」と思われるかもしれませんが…、なにも私が特別に他の方より大金を払っている、ということではありません(笑)

 私は元来、自分がそこまで気が利く人間ではない自覚があるので、
だからこそ「ありがとうございます」や「おかげさま」の気持ちはできる限り相手にわかりやすいようあらわしたい、と思っていました。
今回のことは、お相手の方が、そんな私の姿勢をくみ取ってくださってのことだと理解しています。

 私もハンドメイドの世界では”提供者側”になることがあります。
もちろん、いただいた金額にかかわらず、お客様はみな平等に大切で尊い存在です。
そして、それに加えて、お客様から「ありがとう」や「おかげさま」が返ってきたとき、それはこのうえない喜びですし、また再び「この方にもっとお返しをしたい!」という気持ちにつながるのです。
いわば、ありがとうの相乗効果、といったところでしょうか。

 時と場合により、お金や物品で感謝を示すことが難しいことがあります。
ハンドメイド界隈でよく見かけるのは、
「いつも買ってくれる〇〇さんはお値引きします」とか
「〇〇してくれたらおまけ」というと、
なかには不公平感を抱いてしまう人がいるかもしれない…という悩みです。
そうしたとき、一つの考え方として、
金銭的価値にはならないけど、「直筆のお手紙を添えよう」や「ラッピングをもっと素敵にしよう」といった”気持ちのお返し”をする、ということがあるのだと思います。

 今回私がいただいたお心遣いも、私に金銭的な得があったわけではありません。
でも、私は少し先に情報をいただけたことで、そのサービスを買うか買わないか、受けるか受けないか、とても検討がしやすくなりました。
それによって、私は“とても嬉しく有難い気持ち”になるとともに、またこの人からサービスを受けたい!と思えるのです。

 幸いなことに、私のハンドメイドのお客様は、皆さま本当に“客ぶりの良い方”ばかりです!(これはブランドとしてひそかな自慢…♥)
きっと、そうした方々が活動を見守ってくださるからこそ、私はハンドメイド活動に励めるのでしょうし、
自分がサービスを受けるときも“客ぶりの良い客であろう”と思えるのだと感じます。

このような考えを私に持たせてくれた、すべての方々に感謝を…🍀

1)コトバンク:https://kotobank.jp/word/%E5%AE%A2%E6%8C%AF-2028604(閲覧日:2023年9月29日)

追記.「客振(客ぶり)」の本来の意味は今回述べた内容だと解釈していますが、一部、主に闇金融と呼ばれる消費者金融界隈の用語として、全く別の意味で用いられることがあるそうです。単語を用いる際、また読み取る際には前後の文脈から適切に判断していただけますと幸いです。

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