好きな本~マルチ・ポテンシャライト 好きなことを仕事にして、一生食っていく方法~

私の好きな本

皆さんは”マルチ・ポテンシャライト”という言葉をご存知ですか?

 私もこの単語(というよりこの概念)を知ったのは、本当につい2~3か月前です。
人からおすすめしてもらった本が、この“マルチ・ポテンシャライト”について書かれたものだったのですが、まさに“目からウロコ!”といった感じで、この歳でこんなに新鮮な気持ちで新たな概念に触れられるなんて!という、とても面白い読書体験でした。

画像に販売ページのリンクが貼ってあります。

 まず、本書のなかではマルチ・ポテンシャライトという単語を
マルチ:多くの
ポテンシャル:潜在能力を持つ
アイト:人

と分解します。そしてつまり「さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究する人」と紹介しているのです。
(よく芸能人の紹介でも、俳優・ミュージシャン・作家としてマルチにご活躍の~なんて言い回しを聞きますが、まさにそうした方々のことなのでしょう)

 ただ、私自身は最初、自分はこのマルチ・ポテンシャライトとは正反対のタイプだと思って読んでいました。
大学から専攻を変えずに大学院に進み、同じ研究室に5年以上お世話になっている…この現状だけ切り取っても、明らかに“専門職”の人間です。
また、私自身が「自分は狭く深くコツコツやる人間だろう」と思っていたので、この本をおすすめしてもらったときは「こんな人たちがいるんだ!面白そう!」と、自分事としてはとらえていませんでした。
しかし、本を読み進めていくうちに、その考えは180度くつがえりました。

 まず、そもそも、本当に1つのことだけしかやらずに生きている人ってどのくらいいるのでしょう?
 私の両親は、ともにシステムエンジニアという肩書で何十年も仕事をしていますが、ここ十数年のテクノロジーの進歩により“システムの使われ方”そのものが変わっていき、システムエンジニアの世界でも求められる知識や、システムが使われる分野が大きく変わったと思います。
 私自身も、(休職中ですが)社会的な肩書は大学教員ですが、アクセサリー制作をしてみたり、占星術の勉強をしてみたり、展覧会巡りが好きだったり、興味の幅でいえば実はけっこう広い方だと気が付かされました。
だからきっと、世の中の人の多くが、自身で気が付いていないさまざまなポテンシャルを秘めているのでは?と感じるのです。

 そして、一口にマルチ・ポテンシャライトといっても、その“在り方は一つではない”ことが興味深かったです。
詳細は割愛しますが(気になる方には実際に読んでいただきたいので!)、マルチ・ポテンシャライトのタイプの一つに“フェニックスアプローチ”というものが登場します。
これは「数か月・数年ごとに業界を移り、興味を一つずつ掘り下げていく」タイプのマルチ・ポテンシャライトのことですが、これを読んだときに
数年間在籍した大学から離れ、別の分野に興味を持ってそれを掘り下げようとしてる私って、まさにこのタイプでは⁉
と、自分のこととしてマルチ・ポテンシャライトをとらえることができました。
そして、振り替えれば休職する前の自分も、メインは大学の仕事だけど、趣味で(ある種の副業として)アクセサリー制作をしていた、という意味ではマルチ・ポテンシャライトだったのだろうなと、感じたのです。

 日本には“器用貧乏”や“多芸は無芸”なんて言葉があるとおり、どうもいろいろな活動の場を持っている人を、一つのことをコツコツ続ける人より下にとらえる傾向があるな、と感じます。
 私も、大学でファッションビジネス論を学んだり、ハンドメイド作家をしたりするなかで、顧客になるターゲット層を絞る・商品のテイストを統一する、といった“売るための戦略”があることを知りました。しかし、そうした明確なターゲット層を持っているブランドとは別に、ZARAやUNIQLOのような企業が成功をおさめているのも事実です。
 人のキャリアや在り方もそれらと同じで、どちらが優れているというものでもなければ、人を一筋型と多彩型に分類することもできない、と思ったのです。
それに、月並みな表現ですが「みんな違ってみんないい」の精神で、それぞれが好きに生きて好きに表現・発信(人の迷惑にならない範囲で)できる世の中になってきていると思います。

最後に、この本を読んで心に残った言葉を…
「自分の選択を、誰かに納得してもらう必要はない」
「なりたいものすべてのものになっていい」
「この本の情報は、自分に合うものだけを取り入れて、残りは無視しよう」←潔い!!!

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