最近、
オリジナルアクセサリーブランド「ShiroMuku」の作品について
価格の改定を検討しています。
率直に申し上げて、値上げの方向で。
実は先日SNSで、
原価数百円で作った作品が数千円で売れるからハンドメイドは“お小遣い稼ぎ”に最適!
という趣旨の特集がテレビで放映された、という投稿を見ました。
この投稿について、
ハンドメイド活動に携わる(“ハンドメイド”という言葉を使っていなくてもモノ作りをされている)方の多くが、様々な声を発信していらっしゃいました。
私も、価格の改定を検討していたところに、こんなタイムリーな話題が出てきたので、
思わずあれこれと考えてしまいました。
ここで、かのパブロ・ピカソの逸話を一つ…。
ある日、ピカソがレストランの紙ナプキンにさらさらと絵を描いていたところ、
たまたまそこに居合わせた人が「その絵を譲ってほしい」と申し出ます。
するとピカソは「この絵の価格は100万ドルだ」と返します。
相手が「数十秒で描いた絵に100万ドルは高すぎる」と驚くと、
「この絵をかくのにかかったのは40年と数十秒だよ」と言った、というものがあります。
※この逸話は、舞台が市場であったりレストランであったり、価格や年数・時間の数字についても100万ドルや1万ドル、30年または40年と、はっきりしておらず、出典も不明です。
ただ、ハンドメイド(モノ作り)に関わる多くの方に共通する真理があるように感じ、紹介させていただきました。
ハンドメイド(アクセサリー制作)は、
趣味で始めたころから数えれば、もう10年以上の歴になります。
本格的に販売を開始してからは3~4年と言ったところですが、
この時間のなかで本当に多くのことを学び、考えさせられました。
ちょっと赤裸々な話しをさせていただくと、
現在販売している作品の価格は原価約3~4割、作業時間×国の定める最低賃金+αといったベースで決めています(すべての作品の価格がこの基準というわけではありません)。
ただ最近、
この価格基準が自分の作品の価値、ひいては労働の価値を本当に正しく反映しているか、
疑問に思えてきたのです。

作品の原価について、
“作家さんはコスパの良い資材を使っている”や“安い資材がそろう店を知っている”と
思われることも多いです。
確かに、実際知っています。
でも、知っていても“それを使っているか”は別問題です。
私も一時期、
なぜこのパーツはこんなに安いのか?と疑問に思い、試しに資材を買ったことがあります。
ただ、そういった格安品のなかには、
変色が早かったり、
欠けやバリが目立ったり、
お客様にお届けする商品に使うのは躊躇われる品質のものもありました。
そして
“高いものには高いだけの理由がある”という結論に至るとともに、
資材費を抑えて価格を安くするor利益率を高めるという狙いで作るものは、
自分が真にお客様にお届けしたい作品ではないと強く思いました。
そして、
自分の制作に費やす時間についても、考えを改める時期に来ていると感じます。
先月末までは組織にやとわれて仕事をしていたので、
アクセサリー制作は社会的に“副業”ということにせざるを得ない部分がありました。
しかし、
そうした縛りのなくなった今、自分の労働にきちんと価値を持たせなくてはいけないと思うようになりました。
先のピカソの話しにもあるように、
私が今のレベルの作品を、今の制作時間で作れるようになったのは、
幾度とない制作を繰り返して獲得した技術の蓄積があってこそです。
これはお金で買えるものではなく、
私自身が身につけた自己価値。
その価値を発揮する制作の評価が、
本当に“作業時間×国の定める最低賃金+α”という基準で良いのか…。
もし作品の価格を上げたとしても、
それを理解し、私の作品に価値を見出してくれる人には必ず届くと信じています。
私がこれからすべき努力は、
その価値を落とさないことと、価値を分かってくれる人に確実に情報を届けていくことだと思うのです。
ハンドメイドを始めたきっかけはお小遣い稼ぎ、それも良いと思います。
作るのが楽しければ利益は別に…そんな考えもあり、です。楽しいことは大切です!
やるからにはしっかり利益を出したい!そんな意気込みにも大いに賛同します。
ただ、
どんな気持ちやきっかけで始めたこと・続けていることでも、
お金を払ってくださる方がいることや、
プロと名乗り誇りをもって“ハンドメイド活動”をしている人がいることを、
心に留めておいてもらえたら嬉しく思います。
留めておくだけで良いので…。
そして、ハンドメイドにかぎらず、
個人の技術や知識で稼ぐ人々への理解が、社会全体に少しずつでもいきわたってくれたら幸いです。
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二次創作アクセサリーブランド「煌星」
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