ここ数日、修理修繕についての記事を書かせていただきました。
6月22日「修理修繕、承ります」
6月23日「続・修理修繕、承ります!」
今日は、私の修理修繕に対する意識と、そうした考えにいたったきっかけについてお話ししようと思います。
6月22日の記事で、お客様からの「信頼はお金では買えない」と書かせていただきましたが、これは何も私だけでなく、広く日本の企業のほとんどが考えていることだと思います。
私は大学在学中に、繊維製品品質管理士(Textiles Evaluation Specialist,略称TES)という資格を取得しました。これは、供給される繊維製品の品質・性能の向上を図り、繊維製品の品質について消費者からクレームが出ないように、それらの製品の製造や販売を行う企業のなかで活躍する専門家1)とされています。日本製品=高品質というイメージは国内外問わず広く持たれていると思いますが、それに甘んじることなく、そうした専門家が求められるくらい日本のアパレル産業の意識が高い、ということは服飾を学んできた身としては誇らしいです。
この資格は、取得後も定期的な試験の受験か、勉強会への出席が資格維持の必須条件となっています(つまり、とってしまえば勉強終わり!ではないのですね…)。
私も何回か勉強会に参加していますが、そのなかで興味深かったのは、苦情が寄せられた事故品を実際に見ながら、何が事故の原因になったのか、どのような企画・設計をしたら同じような事故が起こらないのか、ということを各分野の専門の方々がディスカッションし、その知見を得るという内容のものです。
内容そのものも面白いのですが、印象的だったのは司会の方が“貴重な資料である事故品のご提供を引き続き広く求めます”とアナウンスをしていたことです。つまり、事故で壊れたり、破れたり、汚れたりした衣服は、捨ててしまえばただのゴミですが、しかるべきところに提出されることで、資料としての価値を持つのです。
お客様から送っていただく修理品も、ただ修理をして終わり、とはしていません。
この素材だと耐久性が足りなかったかもしれないからより強度の高い素材にしよう、接着は接着剤にレジンのコーティングをプラスしたほうが良いかもしれない、そんな風に観察をさせていただいています。
また、明確な破損がないものについても、お迎えからこのくらいの期間で金具がこのくらい変色している、といったことを観察できるだけでも貴重な資料です(購入後の作品をふたたび見る機会は限られているので…)。
現在、日本のアパレル産業は斜陽の時代を迎えたといわれて久しく、大学時代には、お金を払ってまで服飾を学ぶことについて迷いが生じたときもありました。
でも、今こうして自分が服飾品を制作・販売するようになって、デザインの基礎やアパレル産業の成り立ち、そして服飾分野における品質管理について学べたことは大きな財産になっていると感じます。
いつか、どこかで学んだものに、どれだけの価値を見出せるか、どれだけ活かせるか、それは学んだ本人にしか決められないことです。
私という、もとはからっぽの人間に、たくさんの知恵・知識・経験を与えてくれた誰かや何かに、常に感謝をもって報いていきたいのです。
1) 一般社団法人日本衣料管理協会http://www.tes-shikaku.jp/about-tes/about-tes.html
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