「女子は星と宝石が好き」
そんな言葉を、いつかどこかで聞いた気がします。
どこでだったのか、いつだったのか、確かなことは覚えていないのに、でもこんなにも心に残っているのは、きっと「そのとおり!」と私が感じたからなんでしょう。
もちろん、女の子だから星や宝石が好きなはず、というジェンダー論が古臭いのは分かっています。でも、性別とか年齢とかに関係なく、星と宝石は人を惹きつけるロマンがあると思うのです。
で、今回はそんな私のおすすめの本のご紹介。
ドラマ化・映画化もされたのでかなり有名、田村由美先生の「ミステリと言う勿れ」です。
普通の大学生(といってもかなり個性的な性格)の久能整(くのう・ととのう)君が、なぜか様々な事件に巻きこまれながら、マイペースに?事件を解決に導いていく不思議なリズム感が癖になる作品です。
何より、人間一人ひとりに向けられる田村先生のまなざしが丁寧で優しい。
ミステリージャンルなので、悲劇的な展開もありますが精神的負荷を感じることなく読み進められます。ときに、現代社会のジェンダー問題に「そうくるか!」と思わせてくれる整くんの冷静で的確な指摘も読み応えあり。
で、出てくるんです。
星と宝石が!!
作品のなかでは星、というより12星座が大きなキーワードになっているようなのと、星座に絡めてなのか誕生石も登場します。
(ちなみに小さいときの整くんは石とお友だちだったようです…)
丁寧で誠実に描かれる人間ドラマに、星座に石、もう私の好きなものがたくさん入った内容です。
この作品、事件の犯人が星座に関するアイテムを持っているという、逆ゾティアック※1みたいな感じになっているので、どんなふうに着地するのかが楽しみなのと…
現在までに発刊されている13巻時点では、私の太陽星座水瓶座の犯人が出てこないので、そのあたりも気になるところ。
※主人公整君は、太陽星座魚座です♓
この作品に限らずですが、
個人的に、サスペンスやミステリなどの創作物は、
「どう殺されるかが楽しさであり、なぜ殺されたかが醍醐味」だと思っています(この言葉も、なぜかずっと頭にあるので、いつかの誰かの言葉の受け売りかもしれません)。
あくまでフィクションの世界に対する見解で、現実世界での事件についてこの感覚は全く当てはまりませんので、誤解のなきように…。
そういう意味では、田村先生の描く「なぜ」は全く共感できなくても、「あぁこういうことあるのかも、こういう人いるのかも」と、なぜか納得させられてしまうんです。
私のバイブル「美少女戦士セーラームーン」も同じく天体と宝石の要素が出てきますが、それとはまったく違う方向性で星と石が出てくるこの作品。
たくさん気付かせてもらうことの多い作品ですし、漫画ならではのテンポが心地よいので、ドラマ版や映画版でもいいのですが、ぜひ田村先生の原作を手に取っていただけると嬉しいです。
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