「記憶力は良いんです!」が、歪める過去

日々の徒然

今日は、心理士さんから聞いた興味深い話をすこし…。

「自分は昔のことでもよく覚えている」
そんなふうに言う人、周りにいませんか?

あなたはどうでしょう?
記憶力は良い方ですか?
確かに、記憶力が良いというのは一見すると良いことのように感じます。
けれど…

その覚えている記憶って、
思い出せば思い出すほど、そのときの事実からはかけ離れていくんです。

まず、私たちは何かを思い出すとき、
「正確な記録映像」を再生するように、思い出し作業をしているのではありません。

断片的な情報をもとに
“ストーリーとして再構成”しているんです。

そして、
そのとき強く影響するのが、
・当時の感情
・今の価値観や気分
・その記憶を思い出したい理由
など。

そしてここがポイントなのですが…
“強く覚えている記憶”というのは、
その人のこだわり思い入れ、時に執着がある事柄であるということ。

心理学的にも、
人の記憶は「意味づけ」や「情動の強度」と深く関連しているとされ、
記憶が定着しやすい条件には、以下のようなものがあります。

〇強い感情が伴った出来事(怒り、喜び、恐怖、屈辱など)
〇自分にとって意味のある事柄(価値観やアイデンティティに関係)
〇何度も反復された思考(執着や反芻)

例えば…
「あのとき彼は私を見下した目で見ていた」と感じた記憶があったとします。
しかし、 実際はただ無表情だったとしても、
そこに「悔しさ」や「怒り」といった感情が乗ることで、
記憶はその感情を正当化するように”見下した目でみられた”と歪んでいくのです。

これは、
ポジティブな感情でも同じ。
気になる相手がふとした時に微笑みかけてくれた。
実際は、
たまたま相手が笑ったタイミングで顔の向きを変えたら、自分がいただけだったのかもしれない。
でも、「期待」や「好意」という感情がのることで、
”私に微笑んでくれた”と記憶は認識していく。

つまり、
「“強く覚えている記憶”ほど、じつは事実からはズレている可能性が高い」
というパラドックスが生まれるのです。

強い記憶ほど、事実からはズレている可能性が高くなるパラドックス…。

過去に起こった”事実”は変わりません。
相手がそのとき、自分を見ていた。
あの人はあのとき、笑っていた。

でも、”過去の記憶”はいくらでも書き変わってしまうんです。
「相手は自分を見下していた…」
「あれは憐れんだような目だったんだ…」
「あの人は私に微笑んでくれた…」
「あの時から私に好意があった…」

だからこそ、
「記憶が事実に忠実であること」にこだわるのではなく、
「自分がその記憶をどう意味づけたか」
「何をその記憶から学んだか」
ということを整理していくことが大切
なのだそうです。

あなたが忘れられない記憶には、
どんな感情がのっていますか?

記憶というのは、
事実の保存ではなく「意味づけの履歴」
そして、
その意味づけは、今のあなた“価値観”や“心の成熟度”に応じて、
更新していけるものでもあります。

「過去を変えることはできない」とよく言われますが、
“過去からの影響の受け取り方”は、私たち自身の手で変えていけるのです。

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