パナソニック汐留美術館で開催中の「ベル・エポック‐美しき時代‐」を見てきました。
ベル・エポックは、19世紀末から第一次世界大戦開戦(1914年)までの、パリが繁栄した華やかな時代、およびその文化を回顧して用いられる言葉です1)。
私が大好きなミュシャが活躍したのも、この頃です。
もちろん私は当時を生きていたわけではないですし、
リアルな時代の空気を知ることはできないのですが、
それでも、この時代の作品から伝わってくる感覚はとても好きです。
ベル・エポックは、
パリ区画整備に伴い、パリ外縁部の近郊へ移転を余儀なくされた下層階級や芸術家たちが中心となって花開いた文化の時代です。
活気があって、華やかで、でも退廃的で大衆的…
なんとも言えないあの時代の空気感に惹かれます。
けして生活が豊かなわけではなくとも、”自分たちがこの時代の空気や流れを作っていくんだぞ!”という気概を感じるのです。
展示品はどれも素敵で、見ていてその世界観に引き込まれました。
と、同時に…じつは全く違う時代のことが頭をよぎっていました。
私は平成元年に生まれて、
昭和の香りが残る平成初期に幼少期を過ごし、
ネットが発達し携帯電話が普及しスマホに移り変わり、
CD、MD、ウォークマンから配信に音楽の形態が変化して、
コギャルが元気で女子高生が最強な文化を体感し、
そのほか平成を代表する様々なカルチャーを見て育ちました。
ベル・エポックとは、まったく時代背景も流行したものの質も違うのですが、
バブルがはじけて世は不景気なはずでも、それでも”なんやかんや楽しい!元気!”みたいな空気があったあの平成という時代が、私の心象風景であるあの時代が、ふと展示作品の空気感に重なりました。
今回の展示を見ていて、
なんとも言えず”なんかエモいなぁ(この言葉の使い方に自身はありませんが…)”と思ってしまったのです。
展示品そのものが素晴らしいのはもちろん、
その作品が生まれた時代の空気感がただよっているのが、この企画展の持ち味だと感じます。
お時間のある方は、残り少ない会期ではありますがぜひ足を運んでみてください。
1).Wikipediaフリー百科事典
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%9D%E3%83%83%E3%82%AF
コメント