新しい視点+α

展覧会・美術館・Art

 先日、天王洲アイルの寺田倉庫で開催中の「Gogh Alive/ゴッホアライブ」に行ってきました。
ゴッホの作品の展覧会ですが…
じつは絵画は一枚も展示してありません!!

 今回の展示は“五感で感じられる新感覚の没入型展覧会”と銘打っているとおり、
会場内に設置された巨大パネルにゴッホの絵画がプロジェクターから映し出され、音楽とCGによる演出とともにゴッホの創作人生をふりかえってみることが出来ます。
会場内を自由に動き回る子どもたちもいて、肩肘はらないスタイルがとても良いと感じました。

有名なあのお部屋の絵が立体になって再現されていました!
実際にみると…変な角度にすごい違和感(笑)

 私は比較的、美術展・展覧会というものが好きです。
そういうと“すごく高尚なものを好んでいる”という印象をもたれることもあります。
ですが!!私はあまり美術・芸術=高尚なもの、というイメージにはなってほしくないなぁと思っています。
正直、たくさん展覧会に行っていても、作品の主題とかテーマとか見ただけではわかりません。美術史の知識がとりわけて他の人よりあるわけでもありません。
そもそも、そういう感覚や知識も、無くてもいいかなあ、とさえ思っています。

 展示を見るときに、たくさんの人が息をひそめるように、靴音を立てることさえ憚られるようにして、そろりそろりを館内を回るような雰囲気って、私はすこし勿体なく感じます。もっとリラックスして、なんなら歓談しながら穏やかな気持ちで見るほうが、漠然とした言い方になりますが“心の豊かさ”が変わるような気がするんです。

 少し話しは変わりますが、私がアクセサリー制作をしていて感じるのは、なにかを作るって“やりたい人が好きでやってる自己表現”みたいなものかな、ということです(芸術と個人の趣味制作を一緒にするなとお𠮟りをうけそうですが…)。
だから、こういう美術展・展覧会も、誰かの“好き”とか“推し”を見に行くか、くらいの気持ちでもいいのかなと。そもそも、本当に“芸術の復興”を志すなら、芸術は限られた人たちのものではなく、もっと垣根を低くして裾野を広げていかなくてはいけないと思うのです。そうしたことを、新しいスタイルの展示方法をみて感じさせられました。

 そして、この展覧会では別の視点での気付きも。
じつはこの展示に同行してくれた人が、ちょっと腰を悪くしていたので、わざわざ車椅子をかりて一緒に来てくれました
そう!車椅子って、借りられるんです!(行政により対応はことなりますが)
そして、人生で初めて車椅子を押すという経験をさせてもらいました!
車椅子を押していると、普段はスタスタ歩ける地面の、ほんのちょっとした凹凸が気になります。
スピードも、普段自分が歩いているテンポとは変わります。遅くないか早すぎないかを心に留めて、ゆったり歩いていくことになります。
登坂より、むしろスピードが出やすい下り坂の方が怖く感じます。
ちなみに、電車やバスの乗降りは絶対に補助が必要、電車なんてあのホームと電車のわずかな隙間に前輪が引っかかってしまうようなのです。
こういうことの一つひとつ、実際に経験しないとわからないんですよね。
友人が腰を悪くしたことは災難でした。しかし、二人ともに展覧会からの帰り道「なんか貴重な体験してるわ~」という気持ちでいられたことは、とても有り難いことだと感じます。

 たった一日のなかで、いろんなことが新鮮でした。
もし、自分の人生でなかなかに災難、困難なことがおきたら「これも経験!」と新鮮な気持ちで受け止められるだろうかと…。
そういうことも、こういうを経験一つ、しておくかしておかないかで変わるんだろうなぁと、そんなことを感じました。

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